高校一年生、夏、私のクラスに転校生が来た。
名前は、『高羽(たかは)㮈都(なつ)
夏に来た、㮈都です。
みたいな感じの挨拶で、この子は、人から愛されるタイプの子だなと思った。
それと同時に、嫌いだなとも思った。
なんでかはわからない。直感的に思った。
とっても失礼なことではあるけど、私はそう思った。
挨拶後すぐみんなが集まっていた。もちろん私は行かない。
私の席の周りには、仲良くしている子はいなかったので、窓際の席だったし、外を眺めていた。
陽炎が見えたので今日は暑いんだなと思って、ぼーっと眺めていたら。
声が聞こえた。馴れ馴れしく誰かに話しかけていて、私に話しかけでいるわけではないと思い無視した。

「、、ぇねぇ」

「そこの君だよ、外を見てる君。」

そこで、私に話しかけられていると気づいた。

「私?」

「うん。」

「どうして無視するの。」

「私にじゃないと思って。」

「なんでよ。」

ちょっと笑いながら返してきた。

「そうそう、名前なんて言うの?」

名前を聞くためにわざわざ、私に声をかけて
きたのか。
名前なら他の人たちに聞けば良いのに。

「なんで。」

「なんでってクラスメイトだし。」

「他の人に聞けば良い。」

「最初のコミュニケーションが大切だって言うじゃん。」

「あっ、もしかして俺のこと嫌い?」

「知らない。」

「知らないかー」

また、ちょっと笑いながら返してきた。

「教えてよ。」

清水(しみず)

「清水何?」

「なんで下の名前まで言わなきゃいけないの?」

「挨拶って普通フルネームじゃない?」

「清水ーー」

「へぇ〜」

「可愛い名前だね。」

「ーーちゃんって呼んで良い?」

「嫌だ。」

「どうして。」

「この名前嫌いなの。」

「そっか。」

「じゃあなんて、呼べば良いの?」

「知らない。」

「知らないか」

「なんで嫌いなの?」

「私には似合わないし。」

「そう?ぴったりだと思うけどな。」

「じゃあ清水さんで良いか。」

「俺のことは㮈都って呼んでね。」

「これからよろしくね。」

と握手をしようと言わんばかりに手を差し出してきた。顔でも言ってる握手をしようと。
仕方なく握手をした。

「よろしく、高羽さん」

と言って。
彼の手は少しほんの少し微かに震えていた。
あなたが何に怯えているのか私にはわからないが。
私には、関係のないことなので気にしなかった。

「㮈都でいいのに。」

カバンから本を出して、本を読み始めた。

「無視か。」

ぼそっと言ってどっかに行った。
本を読んでいてもわかる。
なんでお前って目で見られているのが痛いほどわかる。
ただ、名前を言っただけなのに。
それも私、言いたくて言ったわけでもないのに。
だから嫌いなんだこういう奴は。