君と、青い海に溺れる

作品番号 1664541
最終更新 2022/06/20

君と、青い海に溺れる
恋愛・青春

418ページ

総文字数/ 103,939





「なぁ、杏璃」



輝く夕日が

オレンジ色に私たちを明るく照らす。



けれど、これっぽっちも嬉しくなかったんだ。





「ん?」






緋色は一度深く息を吸って、

間を置くように静かに息を吐いた。






「どうして…、髪を切ったの」







弱々しくて今にも消えそうな声だった。




腰まであった栗毛色の髪の毛は

首もとが風を撫でるほど短いショートになった。




緋色が深い海の底で届かない思いを

叫んでいるように聞こえたため、





空を見上げるのを止めて、

夕焼けから逃げるように横になっている緋色を見た。






オレンジ色に照らされ、

今にも同じ色に染まってしまいそうだった。







瞳に光は ないのだろう。


いつの間にか闇に消えてしまいそうだと、

思うくらい。




震える唇をグッと噛み締めた。






「そんなの、気分転換に決まってるでしょ」






「そっか」






もう、全てを捨ててしまおうと思った。






今まで生きてきて、

私も緋色もずっとある事を願ってきた。






でも、もう無理だって、不可能だって



私も緋色も感じていた。












だから、緋色以外_____




何も いらなかった。











「君と、青い海に溺れる」



クラスで人気者の明るい女の子

泉田 杏璃(いずた あんり)

×

“不良の卯月くん”と噂される男の子

卯月 緋色(うづき ひいろ)


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