「うぎゃーうぎゃー」と赤ん坊の声がする。うるさいな〜と思い目を開けるとそこには知らない可愛い女の人の顔があった。そうか私こと想像の姉はテンセイしたのだった。となると泣いているのは私だな。さっきから耳元がうるさいからな。





「最後までなんの役にも立たないのですね。朝姫様。こんなことなら夜姫様が生贄にならずにここにいるほうが良かったわ。」





なぜ赤ん坊が生まれたというのに「なんの役にも立たないのですね」なのだ?赤ん坊を産んで子孫繁栄が人の最大の使命と書物には書いていた。赤ん坊こそ宝とも。それに夜姫とは誰のことだ?生贄なんていう楽しそ…じゃなくて不穏な単語まで出てきたぞ。

 よく見ると私を抱いている美しい朝姫様と呼ばれた人の顔も複雑な顔をしてる。

私の隣には私と同じく生まれたての赤ん坊がお父さんらしき人に抱かれている。赤ん坊は寝ている。



周囲を見ると一人だけどんちゃん騒ぎしていて残りは思い詰めた顔をしていたり、あからさまにいやそうなかおをしたり、中には直接「何でこんな子を産むの?やくたたず!」と暴言を吐く者もいる。そんな人には朝姫も「ごめんなさいごめんなさい」としきりに謝っている。まあこういう状況は寝るに限る。ということで私は寝ることにした。



***



朝日が差し込んできたとともに私は目が覚めた。隣には赤ん坊(多分男の子)が寝ている。もしかしたら双子なのかもしれない。双子といえば私にも双子の弟がいたこんな感じにずっと寝ている弟が。ん?もしかしたらコイツまじで私の弟説。ということで確かめよう!



我が弟の弱点その1

鼻をつまむ

弟は鼻をつままれると10分の1の確率で起きるのだ。



では早速勢いよくつまむことにした。しかしここで私はこの作戦のある欠点に気がついた。それは相手の鼻に触る事ができなければつまむこともできないのだということに。私と弟との差約2メートル。たった2メートルと思いますよね。赤ん坊(生後一日)に2メートルは大きい。私は作戦を断念せざる負えなかった。



我が弟の弱点その2

睡眠中に念話で睡眠を邪魔する。

そもそもこの体力使えるのかな?

まあ実際にやってみればいいでしょう!



『もしもし弟くん聞こえるかね。』



おお!できた。できた。



『うるさい』



この反応は……間違いなく我が弟じゃないか!

転生したから無邪気で可愛いのが弟になると思ってたのに。人生の2分の1以上を眠りに費やす弟じゃん!あえて言うならもうとっくの前に死んだのに未だにねぇちゃん呼びしてくれるのが可愛い。



 私の弟は長年、長い間寝ても頭が痛くならない薬の研究をしていてある日、「神になれば痛覚なくなるんじゃね!」といって神になった変わり者の中でも変わり者と言われた変わり者だ。私は元々神にスカウトされていたので、弟もなるなら……ということで神になった。神になるならスカウトに限るのだ。一回死ぬけど。ほんとに殺されたときはビビったわ。





「で、何なんだ。人の睡眠を邪魔して。バカねぇ」





やっぱ訂正。





「バカとはなんだ!バカとは!あねにそんなこと言ってもいいんですか!」





僕は姉に恐怖しました。





「スミマセン」



「わかればよろしい。」



「テンセイは成功したみたいだな。」



「ええ。 そうみたいね。」



「問題は他のバカたちね。」



「ねぇもバカって言ってんじゃねーか。」



「あんたと私のバカは質が違うのよ。」



「どこがだよ。ばかはばかじゃねーか」



「起きてる方が珍しいあんたと可愛くて、天才の私に言われるのだと違うじゃん。」



「うっわ。自画自賛。」



「自画自賛でなにが悪いのよ。事実でしょう」



「僕は芸術ののほうが可愛いとおもうけどな〜」



「それは……認めるわ。あの真っ白の肌に黒のボブヘアー。ベレー帽がまた似合うのよね。」



「さっきから言葉遣いが無茶苦茶だな。語尾が毎回違う」



「神に個性なんてなかったし、まだこの体になじまないから不安定なんじゃない?」



「それもそうかもな。」



「で、そもそもここはどこかしら。メイドがいる以上どこかしらの貴族とかのそれなりにお金のある家なのは分かるんだけど。」



「答えて差し上げましょう。私のベービー達!」



「「!」」



「あんた誰?」



「産みの親の私を忘れるなんてひどい!こんな子に育てた覚えはありません!」



「そもそも私達生後一日なんですが。たしかにこんな顔してたわね。」



「僕覚えてないんだけど」



「あんた寝てたじゃん!」



「マイダーリン。私達のこどもがしゃべってる〜。」



私の母と思わしき人は去っていきました。



「なんか若い女の子みたいね。子供がいるとは思えないわ。」



「ああ」



「「……」」