◇
翌日、朝早くにメッセージが届く。
「んー……こんな朝早くに誰……」
もぞもぞと布団から手を伸ばし、ベッドサイドに置いているはずのそれを掴み画面を操作する。
千聖くん:【大事な話があるんだけど、今日の放課後、時間ある?】
──だった。
「えっ……!」
今が何時なのかすら忘れて、慌てて飛び起きた。
今日……放課後、大事な話?! なにそれ! ま、まさか告は……いやいやいや、それは絶対にありえない。だって千聖くんだもん。きっと好きな人いる…よね……
……神木さんとヨリを戻すとか?
「じゃなくて! まずは返信!!」
えーっと、えーっと何て返せばいいのかな。聞きたいような聞きたくないような。……ん? あれでも、もしかしたらまだ過去に話してなかったことかもしれないし。いや、うん。その可能性の方がきっと多いよね。
「大丈夫だよ、っと……」
──送信。
すると、すぐに返信が来る。
【じゃあ今日の放課後に公園で】
とすぐに返信が来る。ホッ。それだけだと油断していると、すぐにピコンッと通知が鳴り。
【大事な話だから、忘れずに来てね】
念を押されて、面食らった私。
「……だ、だから大事な話って、なに」
午前五時五十分。あたりはまだ真っ暗で、朝と呼ぶには早すぎるけれど、たしかに今この時間をお互い別々のところで共有していた。
***
学校が終わり、放課後公園までの道のりを緊張する面持ちで歩いた。途中、緊張しすぎて心臓が口から出てきそうだと思った。
午後十六時すぎ。公園の入り口に着くと、ベンチにはすでに人影があった。それが千聖くんだということはすぐに分かり、またそわそわして落ち着かなくなる。
「どうしよう、どうしよう……やっぱり聞きたくない」
ここまで来たのに怖気付いて、冬なのに冷や汗が背中を流れる。
まだ千聖くん、私に気づいてないみたいだし、用事ができたって言って帰れば問題ないのでは……
──ブブーッ
瞬間、かばんの中のスマホが鳴りビクッとして、背筋が伸びるが、慌ててスマホを探しだし、画面をタップする。
「もっ、もしもし?!」
思わず声が上擦ってしまう。
『あ、繋がってよかった。美月、遅いから心配したよ』
「ご、ごめんね」
『ううん、それは大丈夫だけど今日来れそう? それとも用事でもできた? それなら無理にとは言わないけど』