時は過ぎ、女の子は小6の春休みの最終日、小学校の頃6年間クラスが同じだった仲の良い友達と遊びました。そして、次の日中学のクラス発表の張り紙を見るとまた、彼女と同じクラスでした。女の子はとても喜び、声を掛けに行きました。しかし、彼女は妙に塩対応でした。そして、女の子は次の日から独りぼっちになってしまいました。彼女がリーダー格のグループに入ったからです。女の子は人見知りが激しかったので、仕方なく1人で読書をして過ごしました。しかし、そんな平和も長くは続かず、女の子はそのグループから、目をつけられるようになりました。トイレに行って出ようとすると扉の外から何人かで押さえつけてだしてもらえなかったり、朝教室に入れてもらえなかったりしました。ですが、女の子は何をされても決して泣きはせず、いつもニコニコ笑っていました。それを、いいことにどんどんヒートアップしていきました。体育祭の練習の時のこと、女の子は短距離が苦手でリレーで抜かされてしまいました。終わったあと
「あんたが遅いから下の方の順位だったんだ」
と責められました。これには、流石に女の子も泣き出してしまいました。それを違うクラスの子が慰めてくれました。一応その場でそのグループのやつらから、謝られましたがとても許せる気にはなりませんでした。さて、仲のよかった彼女ですが、授業中は前と同じように接してくれたのですが、休み時間などはグループの一員と化し、女の子をけなしてきていました。ある日、けなされている時に泣きそうな声で彼女に聞きました。
「どっちが、本当のあなたなの?」
「さぁね」
それはとても冷めきった声でした。そして、季節は冬になりました。その頃には、他のグループからも目をつけられることもあり、男子トイレに突っ込まれるといったことがしょっちゅうありました。それでも、女の子は相変わらずニコニコしていました。クラスの人達はそんな彼女を見ていても、誰も助けようとはせず見て見ぬフリを続けていました。それは、女の子がクラスでやっと友達が出来ても変わりませんでした。バレンタインに、なり、女の子はほかのクラスの友達とチョコを交換して楽しみました。その放課後、チョコを入れたバックが無いではありませんか。無い、無いと必死になって探しているとげせた笑みをして例のグループがそのバックを持っていました。そして、ある1人にそれをどこかへ持っていかせました。その子は女の子と部活が同じである子でした。そんなことはさておき、本来学校に、お菓子を持ってきてはいけなかったので、女の子は焦ってバックを探して見つけました。そして、部活に行き、バックを持っていった子に
「なんでそんなことしたの?」
と聞きました。
「だって、頼まれたんだもん」
女の子はもう、誰も信じられませんでした。そして、ついに大人に頼ることにしました。
その学校では、月に何回かいじめについてのアンケートをしていたので、女の子は自分の状況を書きました。しかし、それをあのグループのやつらに見つかってしまったのです。「は?いじめ?いつもニコニコしてたじゃない?」
「大体そっちも蹴ってきたじゃない?」
……確かに女の子はどうしようもない時はすねを蹴って抵抗し、逃げていました。女の子は
「人数がちがうじゃない!私は1人なんだよ!それを何人かでやるなんて!!それにニコニコしてたのは演技だよ!!ずっと嫌だったから」
とブチ切れました。
「ふーん。でも、そっちも蹴ってきたんだからこっちもいじめられましたって言えばいい話だよね」
女の子はこれまでためていたぶんたくさん泣きじゃくりました。グループのリーダー格が
「いいよ、それならこっちだって泣くもん」と言うと
「好きにすれば!!!死ね死ね死んじまえ!お前の顔なんて二度とみたくねーよ!」
と女の子は感情に任せて暴言を吐き、授業が始まっても泣き続けました。泣いていた時、同じ班の男子から、
「あんな奴らの言うことなんて聞かなくていいよ」
と慰められましたが、女の子は
(今まで黙って見てきただけのくせに……)と思っていました。その後グループのやつらはその後先生に叱られ、きちんと謝られましたが、女の子は決して許しませんでした。
大好きだった彼女のことももちろん大嫌いになっていました。……さて、女の子はずっとニコニコしていましたが、これにはきちんと理由がありました。小説が大好きだった女の子は笑顔でいるとすべて上手くいくといった内容のものを読んだことありました。また、その時ハマっていた小説にも、いつも笑顔のヒーローがいて、とても憧れていました。それだけでなく、女の子は自分が泣くと周りは面白がってもっと酷くなるだろうと考えていたのです。そして、女の子は2年生になりました。もちろん、そのグループのやつらとは違うクラスになりました。しかし、女の子は去年で疲れてしまい、いつも笑顔だったのが常に能面のように真顔で基本無表情になりました。また、明るくて自信のあった性格が暗く自分を卑下するようになりました。そして、2年生の終わり頃、大好きだった彼女の話を聞きました。あのグループはその子を入れて3人だったのですが、他の2人に
「女の子をいじめないとあんたをいじめるよ」
と脅されて、嫌々やっていたそうです。女の子はそれ以来、人間不信になってしまいました。ただしこれは不幸の序章にすぎなかったのかもしれません。