夕神くんが死んだ。

作品番号 1642551
最終更新 2021/08/02

夕神くんが死んだ。
恋愛・青春

110ページ

総文字数/ 97,705

 夕神くんが死んだ────。

 最初に連絡があったのは一昨日の夜だった。
 酷い雨が降る蒸した夜で、まだ湯船につかりたいとおばあちゃんはお湯を溜めていたけれど、それに入る気にもなれなくて、私はシャワーを浴びるだけで済ませた。

 ショートカットの髪をバスタオルで拭いながら、洗面台の端っこに置いていたスマホの画面をのぞき込んだ。クラスのグループメッセージに一文、それはまるで誰かのイタズラのようにシュールな空気をまとっていた。

【夕神くんが亡くなりました。】

「えっ!?」

 急いでスマホのロックを解除しアプリを開く。
 それに続くメッセージがすぐに表示された。そこにはクラス委員の林さんが得た情報が淡々と綴られていた。

 夕神くんは、今朝早く山道をバイクで走行中に車と衝突。救急車で運ばれたけれど残念ながら助からなかった──と。

 のぞいていた画面に丁度着信の通知があり、それは同じようにメッセージを受け取ったクラスメイトの芽依だった。
 私は彼女と何を話したのか。
 とにかく驚きと実感の無い悲しみと、ジワジワと這い上ってくるショックで、地上に落っこちた雲の残骸の上をふわふわと歩いているような、そんな不安定な感覚だった。
あらすじ
同じクラスの夕神くんが亡くなったと、連絡が来たのは一昨日の夜のことだった。

しめやかに行われたお葬式の翌日、平然とした様子で学校に現れたのは、死んだはずの夕神彰人だった。

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