「雨って嫌い」



唐突に私はボソッと言った。


ちょうど会話が途切れていたからだ。



「俺も嫌いだわ。

手、繋げないじゃん?」



「え、そんなこと思ってたの?」



「じゃあ逆に花恋はどんなこと考えてたんだよ」



「私は……」



私は、『初恋の男の子のことを考えていました』

なんて、口が裂けても言えないなぁ。


ちゃんとウソ、つかなきゃ。



「私は、こうやって帰っている途中に靴がびしょ濡れになるのが嫌だなぁって」



一応雨が降るたびに思っていることだから、いいよね?



「あぁ、分かる。俺も、もうすでにびしょ濡れ」



ほらと淳司は少し片足を上げている。