私は、そう言うとキラ君は、黙って見ていた。
でも目は、キラキラしていた。
 お、これは……いい反応だ。
夢中になってケーキ作りに励んでいたし。

 私は、それを見ていて嬉しくなる。
するとルイは、生クリームとグラニュー糖が入ったボウルを氷水が入ったボウルに乗せた。
 そして泡立て器と一緒にシンに差し出した。

「シンは、生クリームの泡立てをお願いします」

「はぁっ?何で俺まで?」

「子供達が頑張って作っているのですから
あなたも手伝って下さい」

「いや、だからって何故俺だけ泡立て器なんだよ?
せめてハンドミキサー寄越せよ?」

「それは、子供達が使うからダメですよ。
 あなたなら泡立て器で十分でしょ?
はい、頑張って下さいね」

 ルイは、ニコッと微笑むとシンに渡した。
シンは、ゲッとした表情をするが仕方がなく生クリームを泡立て始めた。
 フフッ……と私は、笑ってしまった。

 そして30分が経った。
焼き上がったらケーキクーラーの上で冷ます。
 焼けたか確かめるにルイは、竹串を刺してみる。
どろっとした生地が付いていなかったので完成だ。
 やった~凄く綺麗にふっくらと焼き上がったわ!

綺麗なきつね色になっており、ふっくらとしていた。
 スポンジだけでも十分に美味しそうだった。

「では、もう少し冷めたら生クリームを塗りましょう」

「はーい」

 私とキラ君は、元気に返事をする。
そしてワクワクしながら、しっかり冷めるまで待った。
 その際にあら熱が取れたら、塗れ布巾をかけて、水分の蒸発を防ぐといいらしい。

 こうする事により、しっとりとしたスポンジになる。
完全に冷めたらナイロン袋に入れてデコレーションする2時間前くらいに冷蔵庫に入れておく。
 その間にルイは、昼食を作ってくれた。
私達は、お昼ご飯にする。