「煌君が困らなくても先生が困るの。
ほら、煌君も宿題のドリルとノートを出して!
国語と算数ね。
本の読み聞かせは、親や保護者ではないとダメだから無理だけど……」
私は、煌君にドリルなどを出すように急かした。
すると煌君は、渋々とランドセルからドリルとノートを出してきた。
「お前……最近言うようになってきたな?」
「えっ?何が?いいから早く終わらせよーよ」
何を言いたいか分からないが宿題は、早く終わらせたい。
そして、遅くなる前にいっぱい遊びたい。
私は、はりきって宿題を進めた。
国語も算数も1ページぐらいだ。
簡単な漢字の書き移しと算数の計算だった。
私は、真ん中に置いてあるテーブルに座りスラスラとドリルをノートに書き移した。
やりながらもチラッと煌君を見る。
真面目にノートに書き移していた。
あ、ちゃんとやっているわ!
授業の時は、外ばかりみているから真面目に授業を受けている印象はない。
だから何だか新鮮な気持ちになった。
「あ、煌君って字が綺麗だね」
よく見るとノートには、綺麗な字で書かれていた。
丁重で、1年生の子が書いたようには見えないほどだ。
しかも間違ってもいない。
「当たり前だ。人間の環境に慣れさせるために小学校に入れさせられたようなものだ。
これぐらいならすでに英才教育を受けている」
「えっ?そうなの?」
「お前もじゃねぇーの?お前も字が綺麗だし」
「私は、転生者だもん。
小学校のレベルなら、すでに経験しているし……」
と言っても経験したのは、勉強だけだが。
16歳で亡くなったので、何とか中学までは出来る。
まぁ高校生レベル頃には、病状が悪化して勉強どころではなかったが……。