煌君は、黙々と歩いて行く。
私は、少し距離をとりながら追いかけた。
すると走り出した。えっ……!?
私も必死になり追いかけようとした。
足が速いよ……!!
そして道が曲がったところで彼を見失ってしまった。
「あれ?確かココを通ったはずなんだけどなぁ?」
キョロキョロと辺りを見渡す。
すると何処からか気配がした。
「お前……何故俺の後を追いかけてくる?」
「えっ……?」
慌てて声をする方向に振り返ると煌君が居た。
住宅の庭にある壁の上に座っていた。
い、いつの間にそこに居たの!?
「あ、あの……ごめんなさい。
いつも1人で居るから、どうしてかな?と気になって……」
「……俺が1人で居ようが俺の勝手だろ」
「そ、そうなんだけど……せっかく皆と一緒に居るのだし……その……仲良くなりたいし」
私は、モジモジしながら答えた。
何故?と言われると答えに困ってしまうし、恥ずかしい。
自分で、どう表現したらいいか分からないでいた。
するとため息を吐いた煌君は、壁を蹴るとくるりと回転して私の前に着地した。
その身軽で運動神経の良さに驚くも凄いと思った。
それに目の前に現れた煌君は、私より背が高く
左右の目の色が違うのがよく分かる。
端正な顔立ちと綺麗な目に見つめられると心臓がドキドキと高鳴った。
「お前……妖精族だろ?」
「えっ?ど、どうして……?」