ランドセルを背負うと一緒に帰ることにした。
下駄箱に上履きを履き替える。
 そして学校の門まで出ると煌君と一緒に居た男性が私達の前に現れた。

 ルイは、すぐさま私を後ろに庇う。
シンは、思いっきりその人を睨みつけた。
 しかしリズっていう男性は、私達を見るが余裕の表情でクスッと笑ってきた。

「そんなに警戒をされると悲しいなぁ……?
 俺らの皇子が入学したから、ちょっと挨拶をしておこうと思っただけなのに」

「はぁっ?挨拶だけだと?ふざけるな。
 以前お前らが、クマを使って無理やり結界をこじ開けようとしたくせに……」

「さて?何のことだろうね?俺は、知らないけど。
 もし万が一クマが暴走をしたとしても、それは処罰の対象になる愚か者でしょ?
 そんな奴は、上がどうにかするから問題ないでしょ?」

 あくまでも知らないと、しらを切ろうとしてきた。
顔色を変えずに涼しい顔をしているところを見ると、かなり実力者なのかもしれないと思った。
 態度もチャラいけど……。
しかし、その態度に激怒するシンだった。

「貴様なぁ~!!いい加減なことを言うな!?」

「シン、落ち着いて下さい。
 ここで暴れたら人間の生徒達の目につきます。
それに対して困るのは、あなた方もですよね?」

 シンの肩を掴んで止めるルイだった。
そして冷静にリズにも言って制止させる。
 するとリズっていう男性は、クスッと笑ってきた。

「フフッ……相変わらず野蛮で怖いねぇ?
 だから挨拶に来ただけだって言ったじゃん。
それに俺は、キラ様の護衛ってだけだし。
 まぁいいや。また会える日を楽しみにしているよ?
じゃあね……バイバイ」

 それだけ言うと手を振りながらスッと消えてしまった。
えっ?消えた!?こんなところで?
 私は、慌てて周りを見るが気にしている人は、1人も居なかった。どういうことだろう?
 しかし意味ありげな言葉にシンとルイは、不快感を示していた……。

 結局その後は、何も起きなかったので私達は、そのまま近くのファミリーレストランに向かった。
 お店で注文して飲み物を取りに行く。
するとシンは、ブツブツと文句を言っていた。

「何なんだ……アイツは!?
 完全に俺らを舐めていたぞ?ふざけているし……。
しかも何を企んでいるか分からない表情だった!」

  そう言いながらコーラのボタンを押しまくる。
そんな力いっぱい押したら壊れちゃう……。
 心配しているとルイは、私と自分のコップに氷を入れてくれた。