「あ、目の色が違う人のことだよ!
左右の目の色が違うでしょ?彼……」
もしかしてオッドアイの意味を知らないと思い、慌てて説明する。
しかし余計に分からないのか首を傾げられた。
「同じ目の色をしているよ?その子……」
えっ……!?同じ色?
そんなはずはないのに。どう見ても左右違う。
あんな分かりやすい色違いなのに……。
「ひ、左目が赤色で右目が黄色だよ!?」
「左……?お茶碗持つ方?
どっちにしても同じ黒色の目だったよ?」
私の言葉に対して予想外の事を言ってきた。
左右が黒色!?えっ……何で?
あんなにハッキリと左右の色が違うのに……。
どうして!?と言いたくなったが、グッと我慢する。
これ以上言うと私が変な子だと思われるからだ。
それに言ったところで、この子達が違う色だと認識している以上は、それしか見えないだろう。
私は、咄嗟にそう判断して「見間違いだった」とだけ伝えて誤魔化した。
もしかしたら魔法か何かのせいかしら?
私だけが、違う色に見えたってことは……。
どちらが正しいのか判断はつかないが、逆により興味を抱くようになった……。
彼は、一体何者かしら?
そんな風に心に思いながら過ごした。
そして気になりながらも学校の入学式を無事に終わらせた。
今日は、午前中だけなのでルイ達と一緒に帰れる。
「帰りに何処かでお昼を食べて行きましょう。
カレンもお腹が空いたでしょう?」
「うん、空いた~」