「カレン・オーベロンさん」

「あ、はい!」

 私は、慌てて返事をする。
名前も呼ばれることも慣れていないため心臓がドキドキと高鳴っていた。
 返事をした後に後ろをチラッと見た。
するとシンが、よく出来ましたとピースサインをしてくれた。

 私は、エヘヘと笑いながらも前を向いた。
順番に呼んで行くと最後ぐらいにあの男の子が呼ばれた。

妖月煌(ようづききら)さん」

「……はい」

 ぶっきらぼうに返事をする男の子だった。
妖月……煌君って言うんだ?
 カッコいい名前だなぁと思った。ピッタリだ!

 その後に体育館に集まり入学式をしたのだが、あの煌君って子は、ずっと無表情だった。
 何だが取っつきにくい感じの子だ。
しかし吸い込まれそうな綺麗な赤い目と黄色い目をしている。
 私は、話してみたいと思った……。

 そして入学式が終わりクラスに戻ると少しの間、休憩時間になった。
 すると数人の女の子達が私に話しかけてきた。

「ねぇねぇ、カレンちゃんだっけ?
髪の色が違うけど、海外の人なの?」

「一緒に来ていた人綺麗だね。どっちがお父さん?」

 どうやら珍しい白銀の髪と容姿。
そしてルイ達が気になって話しかけてくれたようだ。
 理由が、どうあれ話してくれて戸惑いながらも、嬉しいと思った。

「う、うん……海外の方から来たの。
 あの人は、親戚の人。
同じ白銀の髪の人が父の弟で叔父さんなの」

 ルイが、もし間柄を聞かれたら叔父と答えるようにと教えてもらった。
 身内の方だと何かと都合がいいからだ。
しかし、こんな風に学校で同い年の子と話す機会が、ほとんど無かったため緊張する。
 心臓がドキドキして上手く言葉が出てこない。