そして詳しく説明してくれた。
どうやら私は、本当に異世界に迷い込んだようだった。
 しかも赤子として……。

 この異世界は、妖精の世界だと知る。
そしてルイという男性も妖精の1人だった……。
 妖精だと聞いて驚くも納得する部分もあった。
こんな美しい人は、人間の世界には存在しないだろう。

 そして私を転生した神様みたいな美しい男性。
神様ではなく、妖精の世界で1番の長老である当主・キョウ様だと知る。
 どう見ても外見は、20代ぐらいだ!
あんな美しく若い姿なのに長老とは凄い……。

「妖精は、基本老けません。
 寿命も人間よりも何倍も長生きしますし、よほどではない限り病気もしません。
 赤子から幼少期までは、人間より成長が早いですが、ある程度に行くと成長が止まります」

 そう言っていたから私もある程度までは、成長するってことになるのだろう。
 しかし、妖精には身分差があるらしい。

 幼少期や能力の低い妖精は“準妖精”と呼ばれる。
身体は、小さいままで大きくなれない。
 羽根も消せないし、身分と能力は低い。

 ルイは“正妖精”らしい。
正妖精は、大きく小さくなったり出来るらしい。
 羽根も自由に出し入れ出来るとか。
身分と能力もかなり高い。

 ちなみに能力とは、妖精が生まれつき持っている特殊能力らしい。
 その妖精によって持っている能力は、それぞれ違うし
それで正妖精になれるかがハッキリする。

 ルイの特殊能力は“心を読む”ことだった。
だから赤子で言葉を話せない私の気持ちを理解し、話せるのだと理解した。
 まさに世話役に適任だろう……。

 あれ?しかしそうなると私は、まだ準妖精だ。
なのに、身体が赤子なのに大きいような?
 それに羽根も生えていない。

「多分転生の時の影響かと?
 キョウ様に力を貰っていますからね。
羽根は、もう少し成長なさると生えてきます。
 その成長に合わせて能力は、何かハッキリするでしょう」

 ルイは、そう言ってきた。
私の能力か……一体どんな力があるのかしら?
 そう聞くと楽しみになってきた。
まるで、何処かの絵本にあるおとぎ話のような展開だ。
 まさか、それが実現して体験することになるなんて、誰が想像しただろうか?

 だがそれは、私が憧れていた世界でもあった。
妖精になって空を高く飛びたい。
 素敵な魔法を使える魔法使いになりたい……とか。
病院のベッドで何度考えたことか……。