どうしよう……この日は、念入りにメイクと美容院。
新しい服も新調しなくちゃあ!!
考えただけでも心臓がドキドキしてしまう。
しかし、日にちを聞いて一瞬固まった。えっ……?
「あの……すみませんが、もう一度。
日にちと時間をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
26日。私と課長との結婚式当日だった。
しかも時間までピッタリと同じだった。
嘘っー!?何でよりにもよってその日にちなのよ!?
「あの、申し訳ありませんが日にちをずらすことは、出来ないのでしょうか?」
せめて1日だけでも……。
『すみませんが、相田のスケジュールの都合もありまして。
この日にちしか時間が取れないようなんですよ』
そんな~!?じゃあ、どちらかを諦めないといけないの?
課長との結婚か、相田君との番組か。
これは、何かの罰なの?
私がイケメンばかり追いかけているから……。
『あの……どうでしようか?』
「も、もう少し考えさせて下さい。
こちらのスケジュールの予定もありますので。
早めに返事をしますので……」
必死に頼み返事を待ってもらうことになった。
電話を切る。すると数人のイケメン店員の子達が聞いていたらしい。
心配そうにこちらに来た。
「菜々子さん。どうして待ってもらうのですか!?」
「そうですよ。せっかくこのお店を取材してもらえるチャンスなのに。
そうなれば、もっと人気が出ますよ?」
「菜々子さん。たしか相田君のファンでしたよね?」
そうなのよ……相田君は、大ファンなのよ!
しかもお店の宣伝までしてくれるなんて……夢が願ったり叶ったりだ。