いつの間にか木枯らしが吹き、新緑だった木々が朱色に染まる季節になっていた。

その色づいた紅葉(もみじ)が落ちれば、たちまち地面は絨毯(じゅうたん)へと変化して、参拝客の心を(あで)やかに魅了していく。

そんな秋空の下、下駄の音を響かせながらゆっくりとまた高嶺神社に女性がやってきた。

「こんにちは。なにをお探しですか?」

境内の枯れ葉を掃き終えた巫女が、社務所で出迎える。女性は不安げに眉を下げて、ぽつりと呟いた。


「あの……〝裏絵馬〟を探しているんですけど……」