「今度は、寄り過ぎだ。ちゃんと左右に気をつけろ!!」

「は、はい」

 必死にハンドルを動かすが、なかなか真っ直ぐに進まない。
30分後。教える方も教えられる方もグッタリしていた。

「あの……すみません。下手で……」

「いや……これも仕事だ。次は、もう少しマシになっててくれ」

「……はい。出来るだけ頑張ります」

これは、本当に頑張らないと青柳さんに申し訳がないかも……。
 その後も何度も教習所に行き運転を頑張るが、どれもイマイチだった。
 自分でも驚くぐらいの下手さだ!
せめて今年までには、免許が取れたらいいんだけど

 そして日曜日。課長に初めて運転を教えてもらう事になった。
 課長の前では、少しでも上達した所を見てほしい。
そう思うとますます緊張してしまう。

 道路は、運転が出来ないため広く練習が出来そうな
場所まで課長の運転で連れて行ってもらった。
 運転席に移動する。

「じゃあ、ココを道路だと思ってやってみろ!」

「は、はい」

よし、やるわよ!!
 私は、勢いよくアクセルを踏みハンドルを回す。
しかし、何故だかバックしてしまった。
 えっ?何で……どうして!?

 慌ててブレーキを踏み停めようとするがドンッと勢いよく停まってしまった。
 意味が分からない私に課長が
「アホか。バックしてどうするんだ!?」と凄い剣幕で怒鳴られた。