「ビールか何か飲むか?」

「あ、はい。ならビールも一緒に」

 ついでに注文して貰った。
注文をすると沈黙が続く。どうしよう。
 何か話した方がいいわよね?
でも何を話したらいいのかしら?あ、お店。

「えっと…素敵なお店ですね。
 上品な感じで。課長もこういうお店が
好きなんですか?」

「まぁな。料理も美味しいが何より落ち着く。
 君は、こういうお店は苦手か?
あまりお洒落なお店とか知らなくて。悪いな」

「いえ、私もこういう落ち着く感じが好きです。
ただ、あまり行った事がなくて…」

 恥ずかしい……。
実は、小料理屋とかは、行ったことがなかった。
 行ってみたいと思ったことはあるが
何だか女性で行くには敷居が高くて……。

「普段は、どんなお店に行くんだ?」

 「えっと…同僚の美奈…玉田さんとは、
イタリアンとか居酒屋とか色々なお店に行きます。
ただ安いお店ばかりですが…」

「そうか…」

 課長は、そう言うとまた黙ったままになってしまった。
 会話が続かない。もっと話の幅を広げなくちゃあ……。

「あの…課長は、料理とか作りますか?」

何故だか料理関係の話をふってしまった。
 あまり作るイメージが無いけど作ったりするのだろうか?

「あぁ、作るぞ。一人暮らしが長いから結構こだわる方だ」