私は、やれやれとした表情で頷くと社長は、パアッと明るい表情になる。
「やったーハワイの挙式キャンセルしなくても済んだ!!」と大喜びしてきた。
「ちょっと待って下さい。ハワイの挙式なんて聞いていませんけど」
はぁっ?ハワイ挙式!?
そもそも人が結婚しないと言っているのに。
何、勝手に予約しているのよ!?
「だって夏希なら結婚してくれるって信じていたから。
ダメなら強行突破で行くつもりだったし。テヘ」
そう言いながらテヘペロをしていた。何がテヘペロよ!
「社長……あなたって人は……」
私は、社長を追いかけ回した。もう一度殴るために。
こうして私は、社長と結婚して妻になった。
もう社長に上手く丸め込まれたみたいで腹が立つ。
しかし、それでも好きな人と結ばれ産まれてくる子供と一緒に幸せな生活を築き上げれるなら良かった。
だが現実は……。
「ねぇ、聞いた?あの人……社長の家庭を無茶苦茶にしたあげく
離婚調停にさせたらしいわよ?」
「しかも自分は、さっさと妊娠して社長に結婚を迫ってるんでしょ?
とんだ最低女よねぇ~」
コソコソと社内の噂を耳にするように。
誤解される前に言っておきます。
私と社長は、正真正銘の夫婦です!
「それだけではないらしいわよ!?
あの女……見せしめに結婚指輪だと言って社長に貢がせて
毎日のようにつけているらしいわよ?奥様の当てつけに」
「嘘~っ!?最低。さっさと会社辞めてくれたらいいのに。
奥様が可哀相だわ」
くどいようですが…もう一度言います。
私と社長は、不倫ではなく夫婦です。しかも、お互い初婚同士。