「仲がよろしいのですね。そうやって
今まで女を使い仕事をこなしてきたのですか?」
平然とした表情で言ってきた。はぁっ?
女を使うって何よ……それ?人を尻軽女みたいに……。
「誤解されたく無いから言いますが、
私は……今まで女を武器にした事は、一度もありませんから」
キッパリと否定した。どんな嫌味よ……それ!?
失礼しちゃうわよね。
私は、いつだって仕事は、真面目にやってきたつもりだ!
女を武器にとか言われたくはない。
「……それは、失礼致しました」
栗本さんは、謝ってくれたが多分、信用はしていないだろう。
複雑で、何だかお互いに気まずい。
しかし、そんな微妙な空気の中で大変な事が起きた。
「えっ?あ、はい。直ちに社長にお伝えしますので
少々お待ち下さいませ。あ、はい。では失礼致します」
「どうかしましたか?」
「クレームよ。すぐに社長にお伝えしないと!」
慌てて社長室に駆け込むと事情を説明した。
3歳ぐらいの幼児が、買ったばかりのおもちゃで
怪我をさせてしまったらしい。
原因は、おもちゃの一部が欠けておりそこを触れてしまったらしい。
「えっ?我が社のおもちゃで子供が怪我をした!?」
「はい。幸い軽い怪我で済んだみたいです。
しかし親御様が酷く怒っている様子で、我が社を訴えると言っているそうです」
訴えでもされたら、会社のイメージダウンになりかねない。
なんとしてでも取り下げてもらわないと。
「今すぐ車を出せ。その家に謝罪に行くぞ!」
「は、はい。承知致しました!」