「大丈夫。一度帰ってるし。
今日は、新しい勝負下着を持って来たんだぞ」

 何と勝負する気ですか!?というか、そんなの用意しないで下さいよ!!
ひたすらマイペースな社長様は、我が道を行く。
 結局、何度言っても泊まると聞かない始末だ。

「分かりましたから、さっさとお風呂が沸いたら入って下さいよ?」

 私は、ため息混じりに言った。すると
「あぁ、何なら夏希も一緒に入るか?」と満面な笑顔で言ってきた。

「ご遠慮致します!」

 あぁ殴りたい。社長ではなかったら殴ってさっさと追い出してやるのに。
 なのに。それが出来ないのは、相手が上司だからだろうか。
また、この人だからなのだろうか?

 そして、お風呂に入った後は、毎回の事ながら強引に抱かれてしまった。
 必死に抵抗をしたが、無駄に終わる。
これなら、秘書の仕事をしていても同じだ。
 だから試しにお願いをしてみた。

「えっ?自宅謹慎を解いて仕事復帰がしたい?」

「はい。もうそろそろ解いて欲しくて。
仕事もどうなっているか気になりますし、これなら復帰しても同じなのでは?」

 疑問と一緒にぶつけてみる。やっぱりまだダメだろうか?
 しかしアッサリと「そういえば、そうだったな。
あぁ、別にいいぞ!」と言って承諾をしてくれた。

 あまりにもアッサリと承諾をしてくれたので驚いてしまう。
 いや、それよりも自宅謹慎にしていたことを一瞬忘れていなかったか?

「本当に……よろしいのですか?」

「あぁ休み分は、有給休暇を使えばいい。
どーせたくさん余っているのだろ?」

「は、はい」

 確かに有給休暇を使えるならありがたい。
休んだ分も給料が出るし、なかなか休めなかった分の消費も出来るから。
 しかし、一体でこんなにも聞き分けがいいのだろうか?
さっきまで抱いていたから?