まったく止める気配はない。
その後。結局抵抗も虚しくまた抱かれてしまうことに。
そうなると後が大変だった。
「社長早くして下さい。打ち合わせに間に合わなくなりますよ!?」
「そう慌てるなって……夏希」
「社長のせいなんですか!!早くして下さい。
もう会社に行くよりそのまま○○株式社に行った方が早いです」
「あぁ、そうだな」
遅刻にしそうになるし、それなのに社長は、のんびりとしていた。
何で急がないといけないあなたが、1番のんびりしているのよ!?
社長は、また私を抱いたりするから
そのせいで遅れそうになっているというのに。まったく……。
ブツブツと文句を思いながらも必死に間に合うように仕事を調節した。
何とかスケジュールの調整は、出来たが
全ての仕事を終わす頃には、ヘトヘトになっていた。
ハァッ……疲れた。そう思いながら電車に乗っていると
降りる間際で電話のバイブが鳴った。
もう……誰かしら?と思いながら着信を見ると
相手は、田所様だった。田所様!?
そういえば、番号の交換をしたのだった!!
慌てて電車から降りてホームの隅に行くと電話に出てみた。
「もしもし……」
『あ、夏希ちゃん。 今大丈夫?』
「はい。大丈夫ですが…それよりも」
手料理の事を田所様に話した。
文句も兼ねて………しかし大笑いされた。
『アハハッ…ごめん、ごめん。
ちょっと気合いを入れてやるつもりが違う所で気合いが入っちゃったかな?』
「笑い過ぎです。誰のせいで大変なことになったと思っているのですか!?」