それは、さすがに……。
私は、チラッと着信を見ると田所様だった。
大事な用だったら大変だが今、電話に出たらおかしい時間帯だ。
朝まで一緒に居た事がバレてしまう。それは、まずい…。
しかし戸惑っている内に電話が切れてしまった。
すると社長が浴室から出てきた。
「おや?電話に出なかったのか?」
「さすがに私が出るのは、おかしいですから…キャアッ!!」
慌てて目線を逸らした。
社長ったらズボンしか穿いておらず上半身は、裸のままだった。
「服着て下さい……服を!!」
「今着たらYシャツがベタベタになるし……それにいいだろ?
もう俺の裸なんて見ただろ?」
「見てませんし、知りません。いいから早く着て下さい!!」
私は、慌てて背中を向けた。頬が熱くなってしまう。
だが社長は、嫌がらせのようにそのまま私を抱き締めてきた。
私は、思わず悲鳴をあげた。
「フフッ…照れてるなんて可愛いなぁ~夏希は」
調子に乗った社長は、私をギュッとさらに抱き締めてくる。
しかも胸まで触ってくるし………。
「社長…調子に乗らないで下さい。
さっさと服を着てご飯食べて下さいよ!?」
「……断る」
そう言いながら背中越しからキスをしようとしてきた。
嫌がる間もなくキスをされてしまう。
何度もキスをされ気づくと押し倒されていた。
続けようとする社長を慌てて止める。
「まっ…待って下さい。仕事に間に合わなくなっちゃう」