「夏希、酷いではないか。田所の前で。
もうただの社長と秘書の関係ではないのだから教えたっていいだろう!?」
「いえ、ただの社長と秘書の関係ですから」
私は、キッパリと言い放つ。
出来たら無かった事にしたいぐらいです!
するとその言葉にショックを受けた表情をしてきた。
「君は、俺のこと…遊びで寝たのか!?
なんて酷い女なんだ!!」と言い出した。
「何でそうなるのですか!?」
ちょっと、何でよ!?
変に勘違いされる事を言わないでよ!
あぁ、余計に話がややこしくなる……。
「やめて下さい。そんな誤解されるような台詞。
もし誰かに聞かれたら……」
慌てて否定をしようとしたらガサッと紙が落ちる音がした。
振り向くと女子社員が立っていた。
お互いに硬直してしまう。うっ……嘘でしょ!?
「何だ?」
「あ、あの…○○株式社の松居様がお見えになのですが」
「そうか…なら通してくれ」
「は、はい。失礼しました!!」
女性社員は、頭を下げると慌てて行ってしまった。
あぁ…また、変な噂が流れてしまう。
ハァッ……と大きなため息を吐いた。絶望だ……。
「アハハッ…やっぱりいいわ。あんたの社長さん」
その夜。いつもの女子会で香奈子と恵美にその事を話した。
すると早速笑われてしまう。