「ある意味……凄いわね」
家族一同、苦笑いしながらそれを見つめていた。
そんな事も知らずに気持ち良さそうにスヤスヤと眠る棗だった。
ある意味大物になりそうだ!
退院後は、母子共に健康のために早めに退院が出来た。
2児の母親になり子育てに忙しくなるが社長とレオンが協力して手伝ってくれた。
特にレオンは、積極的に美優の世話を手伝うように。
棗の面倒も見てくれるが大人しいので手はかからない。
「美優~おしめの交換だぞ~」
そう言って積極的にオムツも交換してくれる。
非常に助かっているわ。まるで子煩悩な父親みたいだ。
だが、たまに……。
「おい、レオン。美優ばかり触るなよ!?美優の父親は、俺だぞ」
「いいじゃん。美優だって秀一より俺の方がいいだろう」
「そんな訳あるか!!」
あぁ、また始まった……。
社長とレオンの兄弟みたいな喧嘩が。
たびたび美優を巡って取り合いをしていた。
「ちょっと、子供を巡って喧嘩しないで下さいよ!!」
慌てて止めるがなかなか収まらない。
我が家は、相変わらず騒がしかった。というよりさらに子供が増えている……。
ハァ……まったく。私は、呆れながら
ため息を吐いているとインターホンが鳴った。
あ、香奈子達かも知れないわ!?
今日は、ささやかながら美優の誕生パーティーをする事になっていた。
慌てて玄関に行くとやっぱりそうだった。
香奈子と恵美と田所様がお祝いに駆けつけてくれた。
「夏希。お祝いに来たわよ!」
「出産おめでとう。はい。これ出産祝いよ!」