「どういう事だよ!?説明しろ!!」
レオンは、イライラしながら説明を要求してきた。
私も知りたい……凄く。
すると社長は、片方のポケットから通信機を取り出して見せてきた。
「こっちは、今見せたボイスレコーダー。で、こっちが……通信機だ!
今の発言から行動は、全て筒抜けだ!
車に栗本を待機させてある。
俺や夏希らに何かあれば、すぐに警察に行くように指示を出してある。
ちなみに、このボイスレコーダーは、新たに録音しておいたヤツだ。
もう1つのボイスレコーダーとお前らの顔などを撮影した状況証拠も持ってな」
得意気に社長は、話してきた。
つまり。レオンは、敗れたと言う事だろう。
社長の手によって……。
「お前の負けだ。諦めれろ!
夏希と棗は、返してもらうからな」
「くっそー!!」
レオンは、悔しそうに座り込んだ。
そして彼の敗北として誘拐事件が終わった。
レオンは、ムスッしたままふてくされていた。
まるで子供のように……。
私は、手錠を外され自由の身となった。
手には、アザが出来てしまったけど……。
ホッとしたがすぐにあることに気づいた。
「ねぇ、棗は?棗は、無事なの!?」
私は、必死に我が子を捜した。
そうするとスーツ姿のサングラスの男が棗を連れてきた。
私は、慌ててその男から我が子を取り返した。
「……棗!!」
無事かどうか確かめた。
無傷のようだが、まだスヤスヤと寝ていた。
よく寝るわね……相変わらず。この子は……。
「……君らの子。変わってるよね?
怪しい俺らが抱いてても泣かないし。
夏希から離す時に少し泣いたがすぐ泣き止んで寝ているし」
ふてくされながらもレオンは、説明してくれた。
どうも棗は、社長に似てマイペースらしい。
あまり動揺とかしないし。とにかくよく眠ってくれる、寝過ぎるぐらいに。