置くとすぐに離れようとした。
だが、腕を引っ張られてそのまま隣に座らせられた。強引に……。

「キャアッ!?ちょっと、何をするのよ?」

「日本人って、客が来たら隣に座って話し相手をしてくれるんじゃないの?」

「一体何の話ですか!?」

「あれ?違うの?こうやって密着させて話を聞いてくれるって聞いたけど?」

 そう言いながら私を引き寄せてきた。
はぁっ?何で私があなたの話し相手にならないといけないのよ?
 しかも距離は、間近で顔がかなり近い。

 レオンの吸い込まれるような碧眼が私をしっかりと捉えていた。
 何て…美しいのだろう。
うっとりと見惚れいると少しずつ顔が近付いてきた。
 キスされる……。だが、一瞬社長の顔が浮かびハッとした!!

 慌てて彼から離れるとバシッとレオンの頬を叩いた。
怒りを込めて。レオンは、初めて叩かれたのかボー然としていた。
 だが、すぐに我に返り怒りだしてきた。

「な、何をするんだ!?
俺の美しい顔に傷が付いたらどうする気だよ?」

美しい顔に傷……?
 何だか余計に怒りが込み上げてきた。あんたは、ナルシストか!!

「美しい顔だが、何だか知らないけどいい加減にしなさいよ!?
 黙って聞いていたら、あんたのやっている事は最低な行為なのよ!」

「最低だって…お前にそんなこと言われたくない!!」

「いいえ、言わしてもらいます。
こんな事していいと思っている訳?いい加減にそんな事やめなさいよ!!」

 もう後先考えずに怒鳴りつけた。
するとレオンは、余計にカッとしたのか腕を掴まれそのまま押し倒してきた。