「君が、佐久間夏希さん?」と私の名前を言ってきた。
 何故私の名前を知っているの!?

「……そうですが?あなた達は?」

 不思議そうになりながら警戒するとスッとサングラスを取ってきた。
 すると、その男性のあまりの美形さに驚いてしまった。
綺麗な金髪に吸い込まれそうな碧眼。
 そして白い肌。思わず見惚れてしまうほどだった。
外国人モデルだろうか?

 社長や田所様とまた、違ったイケメンだと感じる。
でも、何で私の名を知っているの?

「失礼。俺の名は、新堂・レオン・ウィルソン。
新堂秀一のイトコだ!」

 その名に衝撃を受けた。彼が、あのレオンなの!?
だが、納得する部分もあった。これだけの美形だ。
 そりゃあ社長の元カノさんも迫られたらなびく訳だ。

「話は、社長から聞いています。私に何の用ですか?」

「へぇ~秀一の奴。すでに俺が来るって情報を仕入れていたのか……さすがだな」

 レオンは、それを聞くとクスクスと笑った。
この余裕の表情。確かに何を企んでいるか分かったものではない。
 私は、負けずに睨み付けた。

「ふ~ん。噂通りと言った所か。
 秀一の情報を調べていたら偶然にも君の情報を入手してね?
あんた……秀一の愛人なんだって?」

 はぁっ?急に何を言い出すの……この人は!?
だが、すぐに会社の噂話を思い出した。
 どうやら彼は、間違った情報の方を入手したようだ!
私が社長をたぶらかす愛人だと……。
 何でよりにもよってそっちを入手するのだろうか?いい迷惑だわ。

「どこで、その話を入手したのでしょうか?」

「それは、極秘だな。まぁ…俺の手にかかれば、
 あいつの情報を入手するぐらい簡単だけどさ」