私は、楽しそうに聞いているとソファーで社長が、
ビールを飲みながら
「しかし、お前が既婚者だとは…世も末だな」と言ってきた。
いやいや社長……あなたには、言われたくないと思いますよ?
私は、そうツッコミを入れようとしたら電話が急に鳴りだした。
「あ、俺の携帯だ。一体誰だ?」
社長のスマホらしくブツブツと言いながら電話に出た。
しかし見る見る内に表情を変える社長だった。
「はぁっ?レオンが日本に来るだと!?」
急に大声を出す社長に驚いてしまった。
どうしたのかしら?
社長が電話を切ると田所様も何か慌てたように
「おい。今の話は、本当か?レオンが日本に来るとか……」
レオン……?田所様も知り合いなのだろうか?
香奈子も不思議そうに首を傾げていた。
私まで何だか不安になってきた。
足元で遊んでいた棗を思わず抱き上げた。
棗は、大きくなり今は、よちよちだが歩けるまでになっていた。
「あぁ仕事関係もあり、こちらに来るらしい。
とにかく…このままだとマズい」
「そうだな……何か方法を考えないとならないかもな。
最悪な状況も含めて」
田所様と社長は、意味が分からないまま話し合いを進めていた。
この2人の顔色がそこまで変わるなんて一体何が遭ったのよ?
「俺は、とにかく。しばらくの間は、ホテル暮らすことにする。
自宅に居ると夏希と棗が居るから余計に危険だしな」
「あぁ、そうだな。しばらくそうするべきか……」