「いえ……こちらこそ勘違いだった訳ですし、すみませんでした」
「だから君は、俺に気にする事なく付き合って欲しい」
すると田所様は、間も空けずに香奈子に突然告白をしてきた。
……えっ?今なんて…?
「田所さん。今…なんて?」
香奈子も私も驚きを隠せなかった。
すると田所様は、さらにニコッと微笑んだ。
そしてもう一度口を開いた。
「香奈子ちゃん。俺と付き合ってくれないか?」
「でも、なんで……私なんかに?本当に?」
信じられない様子の香奈子だった。私も信じられなかった。
だって誤解を解けたと思ったら突然の告白なんだもの。
そりゃあ驚くわよ!!
「俺ね…人にあまり執着とかしなかったんだよね。
性格的に他に対してもそうだけど興味が持てなかった。
異性関係は、姉が3人も居て色々苦労をさせられたり
裏を知ったりで適当に割り切って付き合うぐらいで
丁度良かったんだ。
最初から求めていないし新堂は、こだわりが強かったが……」
田所様……。
チラッと社長を見ると社長は、黙ってそれを聞いていた。
そういえば前にこだわりの強い社長に対して 冷めた感じて言ってたっけ。
割り切って付き合えばいいのにとか
「そうなんですか……なら何故?私なんかを?」
「うん。最近新堂を見ていて影響されたのかな?
こだわるあいつの意味が今さら分かったような気がするんだよね。
真っ直ぐに誰かを求める気持ちとか。
新堂と夏希ちゃんの2人を見ていたら真剣に結婚や恋愛するのも悪くないなぁって」
驚いた。田所様は、私達のことを
そんな風に思っていてくれていたなんて。
羨ましい関係かと言われたら微妙だけど……田所様に
とったら羨ましいらしい。
「もちろん。それだけではない。君は、媚びないし
真っ直ぐ俺だけを見てくれる。
だから昔の彼女達みたいな適当な関係だけにはしたくなかった。
だから夏希ちゃんにその事を言われた時に真剣に考えているからこそ。
自分の口でプロポーズがしたいってそう思ったんだ!」
田所様は、真剣に香奈子の事を想っていてくれたんだ。
つい疑ったりして本当に申し訳ない事をしたわ。