「ちょっと坂下君。あんた……お客さんになんて態度してるのよ!?」

 私は、慌てて注意をするがジッと坂下君を見ていた鬼龍院さんは、ニコッと微笑んだ。

「あ、思い出した。君……前にモールで上紗さんと一緒にナンパにあった子だよね?」

「ナンパにあったって……どんな覚え方してんだよ!?
いや、それよりも忘れてるなよ!」

 にこやかに言うものだから坂下君は、その態度に腹を立てて怒鳴ってきた。
 鬼龍院さんは、鬼龍院さんで天然発言しているし……。

「俺は、認めた訳ではないからな。
それにヤクザが学校に来るとかどうかしてる」

 ちょ……ちょっと坂下君!?
こんなところでヤクザとか言わないでよ!!
 あわあわと慌てているとそれを聞いたクラスの生徒や客がざわつく。

 や、ヤバい……気づかれちゃう。
しかし、その瞬間だった。ガッシャンと大きな物音がした。
 見てみると入り口近くの机を押し倒す不良達が居た。
どうやらざわついていたのは、これが原因だったらしい。
 今の話は、聞いていなかったみたいだが、ガラの悪い連中ねぇ……?

「あれーここかなぁ~?坂下君が居るクラスって……」

「キャハハッ……わぁっすげぇ~メイドが居る。
しかも可愛いっ子ばっか」

坂下君を捜しているようだった。どういう関係?
 文化祭は、チケットがないと入れないはずなのに、どうやって入ってきたのかしら?
 もしかして……無理やり入手したのだろうか。

「お前……こないだの!?何しに来たんだよ?
学校まで来やがって」

 坂下君が、そう怒鳴ると不良の1人がこちらに気付きニヤニヤと笑って近づいてきた。

「何って……参加者だぜ?ほらチケットだって貰っているし」

「あ、それは俺が無くしたチケット!?」