
作品番号 1608830
最終更新 2023/01/14
花を贈るとき、花言葉を意識するか、しないか。
たとえ意味など知らなくても、人は無意識に意識させられている。
プロポーズのときには薔薇の花を、お供えものには菊の花を、母の日にはカーネーションを、といったように。
花言葉なんて、所詮は声にならない言葉に過ぎないというのに……。
花は喋らないから。
秘めた気持ちを伝える手段。伝えるだけで、それは現実にはならない。現実になるときはおそらく、その人自身の実力。花の力ではない。
しかし、花に力を与える神様がいる。
力を持った花を生み出す、神様がいる。
神様は花言葉を……花の力で現実にする。
少女の形をした神様。人はその存在を――花神少女といった。
表紙:にょっき 様
- あらすじ
- 森の奥深く、宝石のような花に囲まれた道を進んだ先に、迷信と言われている小さな花屋が存在する。
カプリース魔法花店。
そこは、花に力を与える神様の店だった。
花をこよなく愛する青年は、勤め先の花屋の閉店が決まったと同時に花が人々から求められていない現実を深く実感する。
そんな彼はある日、花に力を与える神、花神少女を助けた。
お礼に花を貰った青年は、花の花言葉で自身の望みを叶えるが……。