小学五年生の五月が過ぎたある日のこと。


 同じクラスのある女子児童が手を洗っていた。

 その女子児童が手を洗い終えたとき、その女子児童は、自分の近くにいた別の女子児童の服で手を拭きだした。

 それを見た私は黙っていなかった。
 私は、その女子児童のところに行き、「人の服で手を拭いちゃダメでしょ」と注意をした。

 私がその女子児童に注意をしたとき、その女子児童は特に何も言ってこなかった。

 私は、そのことはそれで治まったと思った。
 でも、これは嵐の前の静けさだった。


 その日の休み時間、クラスの女子生徒たちの様子がおかしい。
 確実に私に対する態度に異変があった。

 私は、その異変に気付きながらも、女子児童たちに話しかけた。
 すると、女子児童たちは私に何も言わずに去って行ってしまう。

 おかしい、なにかがおかしい。
 私は、そう思いながらも、別の休み時間のときにも女子児童たちに話しかけた。
 でも、やっぱり女子児童たちは私に何も言わずに去って行ってしまった。

 本当は気付きたくなかった。
 でも、ここまでされているのに気付かないわけがない。