「あ、ねぇねぇ、希空ちゃん。突然だけど、ちょっとだけ相談」


 真宙くんはそう言った。


「相談?」


「うん。ほら、こうして待ち合わせ場所の公園に着く前に希空ちゃんに会えたでしょ。だから公園にはいかずに、そのまま別の場所に行って希空ちゃんに話をしようかなとも思ったんだ。だけど、やっぱり公園のベンチで希空ちゃんに話をしたい。だから、そのまま公園に行ってもいい?」


 真宙くんは私にそう相談した。

 私も真宙くんの話を公園で聞きたいと思った。

 だから。


「うん、行こう、公園に」


 わたしは真宙くんにそう返答をした。


「ありがとう、希空ちゃん」


 真宙くんは笑顔でそう言った。


「そんな『ありがとう』なんていいよ。私も公園で真宙くんの話を聞きたいから」


 私はそう言ったのだけど。


「ううん、言わせて。希空ちゃん、本当にありがとう」


 真宙くんはもっともっと笑顔でそう言った。

 可愛い……。

 真宙くんの笑顔があまりにも可愛すぎて、私は思わず見とれてしまった。


「希空ちゃん?」


 ……‼

 真宙くんに見とれて私が置物のように固まっていたから、真宙くんが私の名前を呼んだ。

 真宙くんに名前を呼ばれて、私は我に返った。


「あっ、ごめんねっ、真宙くんっ。じゃっ……じゃあ、行こうっ」


 私は慌てたせいか、声が上ずってしまった。


「希空ちゃん、大丈夫?」


 私の様子を見て心配そうにそう言った、真宙くん。


「うっ……うんっ、大丈夫っ。ありがとう、真宙くん。さっ、行こうっ」


 私は、まだ少し声の上ずりが残りながら真宙くんにそう言った。


「希空ちゃんが大丈夫そうなら行こう」


 真宙くんもそう言った。


 そして私と真宙くんは公園へ向かった。