……あれ……?

 加恋ちゃん……?


 加恋ちゃんはいつもと違う門から出ていくのが見えた。


 ちょ……ちょっと、加恋ちゃん⁉


 僕は慌てて加恋ちゃんのことを追いかけた。

 そして加恋ちゃんに追いついた。


「加恋ちゃん‼」


 僕の呼びかけに加恋ちゃんは立ち止まった。

 でも加恋ちゃんは僕の方を振り向いてくれなかった。


 僕は後ろから加恋ちゃんの手を握った。

 そして加恋ちゃんの手を握った僕は加恋ちゃんの正面にまわった。


「加恋ちゃん」


「優くん……」


 加恋ちゃんは僕の名前を呼んで、そのまま下を向いてしまった。


 僕は加恋ちゃんに、どうしても訊くことがあった。


「加恋ちゃん……どうして僕のことを避けるの?」


「…………」


 加恋ちゃんは無言のまま。


「加恋ちゃん……」


 加恋ちゃんは昨日から様子がおかしい。

 ……昨日から……?

 違う……。