僕と加恋ちゃんは校舎を出て校庭に出た。


 加恋ちゃんを連れて校庭に出た僕は、ゆっくりと足を止めた。


 ゆっくりと足を止めた僕は、加恋ちゃんの手を引いたまま加恋ちゃんに背を向けた状態になっていた。


「優くん……」


 僕の名前を呼ぶ加恋ちゃん。


 そして僕は加恋ちゃんに背を向けたまま……。


「……加恋ちゃん……ごめんね……」


「……え……?」


「……僕……クラスのみんなに加恋ちゃんとのこと……」


 加恋ちゃんと話し合うこともなく勝手に……。


「優くん……わたし、すごく嬉しい」


 加恋ちゃんのその言葉を聞いて僕は加恋ちゃんの方を振り向いた。


「……加恋ちゃん……」


「みんなの前でわたしのこと……『彼女』……って言ってくれたこと……」


 加恋ちゃんは頬をピンク色に染めて恥ずかしそうにしていた。


 僕は、そんな加恋ちゃんをとても可愛く思った。


「……加恋ちゃん……」


「ありがとう、優くん」


 加恋ちゃんは、とびきりの笑顔を見せた。


「加恋ちゃん……」


 そんな加恋ちゃんの笑顔を見て僕も笑顔になった。


「教室に戻ろうか、加恋ちゃん」


 僕は加恋ちゃんにそう言った。


「うん」


 加恋ちゃんは可愛く返事をした。