「加恋ちゃんは僕の彼女だから、ちょっかいかけないで‼」
僕は、ついにみんなの前で加恋ちゃんと恋人同士だということが言えた。
「ま……マジかよ、草野……」
僕が言ったことに加恋ちゃんと一緒にいた男子たちだけではなくクラス全体がシンと静まり返った。
僕たちがいるクラスだけが、まるで時が止まったかのようになった。
加恋ちゃんの肩に腕をまわしている男子が僕の言ったことに驚き過ぎたのか、固まったまままだ加恋ちゃんの肩に腕をまわし続けていた。
僕は、加恋ちゃんの肩に腕をまわしたまま固まっている男子の腕を加恋ちゃんの肩から離した。
そして僕は加恋ちゃんの手を握り……。
「行こう、加恋ちゃん」
僕は、そう言って加恋ちゃんを教室から連れ出した。