「はい。ですがエミリオン帝国の事や生活は、
初めてのことですし、私が色々教えるようにと
陛下から言い付けられております」
陛下が!?彼女の言葉に驚いた。
それは、慣れない生活に心配してのことか
またまた信用されておらず監視目的で付けたのか。
うーん。どーせ後者ね……。
私が弱味を握らせないためと逃げないようにしたかったのだろう。
そう考えると油断出来ないわね。
私の目的も気づいているのかもしれない。
だとしたら気を付けないといけないわね。
「そう……とてもありがたいわ。私は、
皇后ではなくてユリアって呼んでちょうだい。
まだ正式に式を挙げた訳ではないし」
「承知致しました。では、ユリア様。
お部屋にご案内致します」
聞き分けのいいのか、すんなりと受け入れ
頭を下げてきた。部屋に案内をしてくれるようだ。
部屋か……どーせ高い建物辺か地下の狭くて汚い
牢屋みたいなところだろう。人質と言っているぐらいだし
私は、部屋に関して期待していなかった。
これから住む部屋だし逃げる事も考えて、せめて
窓がある部屋がいいけど……。
食事とかどうなるのかしら?まさか残り物?
いやいや。仮にも妻で皇后よ?私……。
いくらなんでも粗末な食事とかありえないわ。
考えれば、考えるほどいい生活を送れるとは、
想像が出来なかった。
するとある扉のところでエレンは、立ち止まった。
「お部屋は、こちらでございます」
エレンは、ドアを開けて中に通してくれた。
私は、ドキドキしながら入ると……えっ?
白とピンクをモチーフにしたインテリア。
高級感のあるシャンデリアにアンティークな家具。
そしてふかふかのお姫様が寝るような可愛らしい
デザインのベッドがあった。
何よりアース帝国にあった私の部屋よりも
かなり広くて素敵な部屋だった。
ど、どういうこと!?牢屋だと思ったのに……。
「いかがでしようか?奥のクローゼットには、
上等なドレスや宝石なども準備してありますが
必要なものや交換したいものがありましたら
おっしゃって下さい。すぐにお取り替え致しますので」
「あ、ありがとう……大丈夫よ。
それよりもこれ……あなたが準備したの?」
上等なドレスや宝石まで……。
確かに今までのような生活ではないけど……えっ?
そっちの意味で?