「当たり前だ……作ると言ったが食べるなんて
一言も言っていないからな」

作ることは、作ってくれたが
食べることに関しては否定してきた。何で!?
いかにも食べたそうにしていたのに……。

「せっかく作ったんだから一口でもいいから
食べてみたらどう?小さくて食べやすいし
大人の人にも大人気なのよ?」

「いらん。俺は、甘いのは好きじゃない」

「もう……どうしてそうも頑固なのよ?」

本当は、好きなくせに。意地でも嫌いだと言い
食べたがらない。
何でそこまでして意地を通そうとするのよ?
強引でも食べさせようかしら……とその態度に対して
イライラしていたその時だった。
エレンが厨房に慌てて入ってきた。

「陛下、ユリア様。お客様がお見えになりました。
隣国のゼトリック様が」

ゼトリック……様?誰それ?
こんな時にお客様だなんて……そう思っていたら
許可を出す間もなく1人の男性が入ってきた。
うわぁ……イケメン。

銀髪の髪に綺麗な切れ長な目。
鼻筋が通っており整った顔立ちをしていた。
こちらも芸能人以上のイケメンだった。
するとニコッと微笑んできた。

「やぁ久しぶりだね。アディ」

「ゼトリックか。貴様……何しに来た?」

「つれないなぁ……君は、相変わらず。
親友である君のバースデーパーティーがあるから
早めに会いに来たんじゃないか?」

「フン。バースデーには、まだ早い。
まったく。相変わらずだな……お前は」

呆れたようにため息を吐くあの男を見て
私は、えっ?と思った。知り合いなの?親友って?
しかもあの男は、冷たい態度だが顔見知りのようだった。
隣国って言っていたけど……。