いや……解決するとかそういう問題?
それだと私がアイツと関係を持ちたいみたいじゃない!!
冗談じゃないと思いながら見てみるとエレンや
ロンも期待の眼差しで私を見てきた。

えっ?ちょっと何よ……その眼差しは!?
わ、私は言わないわよ……そんな恥ずかしいこと。
私は、嫌がるが全くってほど出てこない。
ロンには、陛下が居ないと仕事にならないと言われ
エレンにも散々説得されてしまう。
嫌だ……でも。確かに、このままにはしておけないし。

もう分かったわよ。一緒に入ればいいんでしょ?
私は、ドンドンとドアを思いっきり叩いた。

「ねぇ聞いてる?さっきは、謝るわ。ごめんなさい。
お風呂ならまた一緒に入ればいいじゃない。
だからお願い……出てきて。もう怒ってないから」

これで大人しく出て来るとは思わないが……。
するとしばらくしてガチッと鍵が開けられた。
あ、開いた!?

驚いているとドアが少し開けられる。
あの男が少し顔を覗かせた。バスローブを着ており
ムスッとしていた。頬は、私が叩いたから赤い。
だがそれよりも目が少し赤く充血していた。
えっ……まさか泣いていたのだろうか?

ロンは、機嫌が損ねないように
「良かったですね。ユリア様がまた一緒に
ご入浴されるみたいですよ。
ならお風呂に参りましょう」と言ってきた。

えっ?今から入り直すの?
明日でもいいじゃないと思ったが、また怒鳴ると
部屋に籠りそうだからグッと我慢する。
結局また風呂に入り直すことになってしまった。

大きな湯船の中にぽっつんと2人きり。
隣は、隣なのだが微妙な距離感になっていた。
お互いに話しかける訳でもない。
目線を逸らしながらただ浸かっているだけだった。
き、気まずい……。

なるべく早く入って出よう。
バスタオルをギュッと握り締めながら
チラッとアイツを見た。
改めて見ると色が白いのに鍛えられた身体だった。
無駄のない筋力で意外と細いのにマッチョだ。
しかし所々に傷やアザがあった。

これは、戦で出来た傷だろうか?
この世界は、戦が多い。それを先頭に立ってやるのだから
生半可な気持ちではやれないはずだ。
なのに……頬には私が叩いた痕が……。
普通なら死刑ものだろう。
ある意味……よく叩いたわよね自分。
ジロジロと見ているとアイツが私に気づいた。

「な、何だ……俺の顔に何かついているのか?」

「あ、いや。別に……あ、そうだわ。
やっぱり一緒に入っていると鬱陶しいわよね?
ごめんなさい……すぐに出るわね」

やっぱり無理。一緒に入るなんて
身体も心にも悪いわ。
私は、バスタオルをギュッと握り閉めながら
湯船から上がろうとした。しかしその時だった。