はぁ……ご理解ね……。
するとドアがノックされた。返事をすると
別の侍女が夕食の用意が出来たと呼びにきた。
ずっと馬車で移動してきたからお腹がペコペコだ。
しかし待てよ。そうなるとあの男と
一緒に食べないといけないのだろうか?

「ねぇエレン。それってあの男……じゃなかった。
陛下とご一緒するのかしら?」

「もちろんでございます。皇后様ですし」

ゲッ……それは嫌だわ!!
あんな極悪非道な態度の奴と顔を見合わせて
ご飯とか冗談じゃない!!
エレンは、そう言っているけど私は、まったく
あの男を信用してない。そもそも元は、敵国だった訳だ。
気を許せるとか有りえないわ。

「私は、ここで食べるからいいわ。アミーナ。
そのように準備して頂戴」

「承知致しました」

「そうですか?残念ですわ」

私は、無理にアミーナに頼んだ。
エレンには、悪いけど来たばかりだし
気を許せる訳ではない。
自分の身ぐらい自分で守らなくちゃあ!!

しかし、しばらくしてエレンが戻ってきた。
食事は、アミーナに頼んでおいたので今から
部屋で食事をするところだった。

「ユリア様。先ほど食事は、ご一緒しないと陛下に
お伝えしましたら、大変落ち込まれまして
やはりご一緒されては、いかがでしょうか?」

はぁっ?落ち込んだ?あの男が。
激怒しているとかの間違いじゃなくて?
エレンの言葉に驚いしまう。

「怒っているじゃなくて?」

「落ち込まれてます……それは、もう
食事が喉を通らないほどに。見ていても可哀想ですわ」

食事が喉を通らないってどれ程よ!?
私は、気になり席を立つとすぐに食堂である
ダイニングルームに向かった。
信じられないので自分の目で確かめたかった。