「ほ、本当ですか!?」

「あ、でも条件がある。近々ユリアのために
皇后の戴冠式をやる予定なんだ。
その際にあなた達も来てほしい。ユリアの両親として」

「それは、もちろんです!」

両親は、戴冠式の出席を承諾してくれた。
争い合っていたことや私のことで、こじれていたが
どうやら上手くまとまりそうね。
最初は、あの男がいつものように余計なことを口に出し
話がこじれると思っていたが、現在熱のせいもあり
素直になったのが幸いしたようだ。

今は、どう見ても極悪非道のイメージとかけ離れていて
イメージアップにも繋がっている。
これなら両国上手くやっていけるかもしれないわね。
私は、ホッと胸を撫で下ろした。

その後、両親が部屋を出るとあの男をベッドに寝かせる。
ロンも安心したようにしていた。

「ユリア様。良かったですね。
陛下の熱が幸いして上手く話が進んで」

「えぇ……本当に。ロンもありがとう。
あなたが事情を話してくれたお陰で話もスムーズに
進むことが出来たわ」

「いえいえ。私は、事情を話したまでです。
全ては、2人の人柄のお陰ですよ。
では、私はこれで……宮殿に戻らなくては。
陛下の看病よろしくお願いします」

ロンは、頭を下げるとそのまま部屋から出て行くと
先にエミリオン帝国に戻って行った。
私は、アミーナを呼ぶと薬とお粥を持って来るように頼んだ。
そして、しばらくして持ってきたアミーナから
お粥と薬を受け取った。

「さぁ陛下、お粥を食べてね。
食べた後は、薬を飲まないといけないから」

私は、お粥をお椀によそう。
そして陛下に渡そうとすると陛下が
「ユリア。食べさせてくれないの?」と言ってきた。

えっ……?私が!?

「別に私が食べさせなくても1人で食べれるでしょ?」

「でも僕は、ユリアに食べさせてもらいたい。ダメ?」