12月10日。


ベッドから起きだし、勉強机の上に置いている100円ショップで買ってきた小さな卓上カレンダーで今日の日付を確認した私は、小さく息をついた。

今日は、央太の5歳の誕生日だ。


時間を気にしつつクローゼットの縁に引っかけたハンガーにかけてある制服に着替えて髪を梳かし、全身鏡の前に座り込んでメイクをする。

ここまではいつもの朝のルーティーン。

そして今日は、机の上にスタンバイしていたスクールバックの他に、もうひとつ大きなリュックを持った。


支度を調えて階下に降りると、リビングに入る前に、大きなリュックを玄関の人目につかない場所にそっと置く。


それから普段どおりの空気を纏ってリビングに足を踏み入れれば、香ばしく温かい朝食の匂いが私を迎えた。


「あ、おはよう」


「おねーちゃん、おはよう!」


「おはよう。おじさん、おばさん、央太」


朝の仕込みを終えて一旦帰宅したおじさんと、キッチンに立つおばさんと、それから先に朝食を食べていた央太に朝の挨拶をする。