・
・【ホイッスルいじり】
・
「博士さ、そのホイッスルを咥えた状態で我慢してや」
そう言ってゆっくりと博士に近付いていくイッチン。
どういうこと? とか思いながら、僕とトールはポカンとしながら見ていると、イッチンが、
「博士、我慢やで、我慢」
と言いながら博士の頬を優しく、というか、何だかやらしく触りだしたイッチン。
「ピヨッ」
あっ。
「ピヨヨッ」
興奮が。
「ピヨヨヨヨッ」
興奮がホイッスルの音色を借りて具現化されて、しょうもなくて笑っちゃう……。
「我慢しないとすぐ止めちゃうで? 博士ぇ?」
そう言いながら博士の耳に吐息を吹きかけたイッチン。
「ピーーーーーーーッ」
何か、放送禁止用語を考えて、自分で鳴らしているみたいだな、と思ったその時、僕は気付いてしまった。
これ! ラブコメじゃなくて成人漫画だっ!
止めさせないと!
「イッチン! そして博士! それはラブコメじゃなくて成人指定の漫画だよ!」
ハッとした表情をしながら振り向いたイッチンと、何故か違う違うといった感じに首を横に振る博士。
何だか博士は邪魔をするな、といった感じに睨んでいるようにも見えた。
いやでも
「僕たちはラブコメ部なんだから、変なSMに目覚めちゃダメだよ」
それにトールも同調し、
「そりゃそうだっ、変なSMはモテないからなっ、博士っ、イッチンもっ、止めるんだっ」
するとイッチンが博士のホイッスルを手に取って、自分のスカートで口の部分を拭いてから、
「そんな堅いこと言わないでぇ、トールもやってみようやぁ、にゃ~ぁ」
と招き猫のように手招きをしたら、すぐにトールがホイッスルを口で咥えた。
いや!
「トール! 止める派だったでしょ!」
と言いながら僕がトールが咥えたホイッスルを取ろうとすると、イッチンが物理的に遮ってしまい、僕はイッチンの髪の毛を触ってしまった。
何だかすごくサラサラで、指先が気持ち良くて、ずっと触っていたいとか思っていると、イッチンの髪の毛がササササッと動き、指先がふわふわして気持ち良いなぁ、あっ、イッチンがこっちを振り向いて動いたんだ。
イッチンと僕が顔を見合わせて、何かつい軽く会釈すると、イッチンが、
「髪の毛触るの、えっちやん」
と言って微笑んでからまたイッチンはトールのほうを向いた。
いや……えっちって、女子から言われるの……めちゃくちゃ何か、心にくるなぁ……。
「ピヨッ」
あぁ、もう、えっちと言われるの、テンション上がるかも。
「ピヨヨッ」
……ん? 何かピヨピヨ鳴ってるな? 何だろう?
「ピーーーーーーーーッ!」
あっ! しまった! トールがイッチンにいじられている!
「ちょっと! トール!」
と言った頃にはトールは恍惚な表情を浮かべて、その場で、へにゃへにゃになっていた。
もう立っていることもやっと、といった感じで。
イッチンは楽しそうに、
「トールは敏感やん、可愛いわぁ」
「はっ、はいっ……」
いや!
「何か完全に従順になっちゃってる! トールはカッコイイなんでしょ! 頑張って気を持って!」
「俺はっ、もうっ、可愛いでっ、いいっ」
と言ってトールはその場で首をガクンと落とした。
いやっ!
「KOされたボクサーか! そんなに打たれてはいないでしょ!」
しかしもうトールの声は聞こえなくて。
悪魔だ……みだらな人とかじゃない……この子は悪魔だ……と思った時、博士がこう言った。
「理央も、喰らって、みると、気持ちが、分かるぞ」
「何を促しているんだ……」
僕は恐怖で後ずさりをしていると、博士がササっと僕に近付き、僕のことを腕で押さえだした。
トールの口のホイッスルを取ったイッチンはまた自分のスカートで口を拭くと、僕の口にグッとホイッスルを押し付けてきた。
クソ! 僕はアレだからな! イッチンが自分のスカートで拭いていることもちょっとした興奮ポイントにしている人間だからな!
だからもう! だからもう! ホイッスルが口にきているだけでお腹いっぱいですっ!
……なんとか耐えきった僕、博士も諦めて、僕を押さえることを止めて、
「さすが、ラブコメ部の、裏番長、屈しないな」
と言ったけども、いやもうスカート拭きの時点で屈していました……とは言えないけども。
イッチンは口を尖らせて少し不満げな表情をしたが、すぐに何かを思いついたような顔をすると、イッチンはトールのほうに近付いて、トールの耳元でホイッスルを「ピーッ」と鳴らした。
その音にビックリしたトールは我に返ったように、負けたボクサー状態から元に戻った。
そしてイッチンは、
「じゃっ、博士に返すわ。アタシが吹いたあと、口んとこまだ拭いてないから自分で拭いといてやぁ」
と言ってニヤニヤ笑ったイッチン。
試されてる! 博士が試されてる! 間接キスか紳士を貫くか試されてる! と思って見ていると、普通に博士がそのまま「ピーーーッ!」と吹いて、
「試合終了!」
と叫んだ。
いやもう全然間接キスを頂くほうでいったぁっ!
・【ホイッスルいじり】
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「博士さ、そのホイッスルを咥えた状態で我慢してや」
そう言ってゆっくりと博士に近付いていくイッチン。
どういうこと? とか思いながら、僕とトールはポカンとしながら見ていると、イッチンが、
「博士、我慢やで、我慢」
と言いながら博士の頬を優しく、というか、何だかやらしく触りだしたイッチン。
「ピヨッ」
あっ。
「ピヨヨッ」
興奮が。
「ピヨヨヨヨッ」
興奮がホイッスルの音色を借りて具現化されて、しょうもなくて笑っちゃう……。
「我慢しないとすぐ止めちゃうで? 博士ぇ?」
そう言いながら博士の耳に吐息を吹きかけたイッチン。
「ピーーーーーーーッ」
何か、放送禁止用語を考えて、自分で鳴らしているみたいだな、と思ったその時、僕は気付いてしまった。
これ! ラブコメじゃなくて成人漫画だっ!
止めさせないと!
「イッチン! そして博士! それはラブコメじゃなくて成人指定の漫画だよ!」
ハッとした表情をしながら振り向いたイッチンと、何故か違う違うといった感じに首を横に振る博士。
何だか博士は邪魔をするな、といった感じに睨んでいるようにも見えた。
いやでも
「僕たちはラブコメ部なんだから、変なSMに目覚めちゃダメだよ」
それにトールも同調し、
「そりゃそうだっ、変なSMはモテないからなっ、博士っ、イッチンもっ、止めるんだっ」
するとイッチンが博士のホイッスルを手に取って、自分のスカートで口の部分を拭いてから、
「そんな堅いこと言わないでぇ、トールもやってみようやぁ、にゃ~ぁ」
と招き猫のように手招きをしたら、すぐにトールがホイッスルを口で咥えた。
いや!
「トール! 止める派だったでしょ!」
と言いながら僕がトールが咥えたホイッスルを取ろうとすると、イッチンが物理的に遮ってしまい、僕はイッチンの髪の毛を触ってしまった。
何だかすごくサラサラで、指先が気持ち良くて、ずっと触っていたいとか思っていると、イッチンの髪の毛がササササッと動き、指先がふわふわして気持ち良いなぁ、あっ、イッチンがこっちを振り向いて動いたんだ。
イッチンと僕が顔を見合わせて、何かつい軽く会釈すると、イッチンが、
「髪の毛触るの、えっちやん」
と言って微笑んでからまたイッチンはトールのほうを向いた。
いや……えっちって、女子から言われるの……めちゃくちゃ何か、心にくるなぁ……。
「ピヨッ」
あぁ、もう、えっちと言われるの、テンション上がるかも。
「ピヨヨッ」
……ん? 何かピヨピヨ鳴ってるな? 何だろう?
「ピーーーーーーーーッ!」
あっ! しまった! トールがイッチンにいじられている!
「ちょっと! トール!」
と言った頃にはトールは恍惚な表情を浮かべて、その場で、へにゃへにゃになっていた。
もう立っていることもやっと、といった感じで。
イッチンは楽しそうに、
「トールは敏感やん、可愛いわぁ」
「はっ、はいっ……」
いや!
「何か完全に従順になっちゃってる! トールはカッコイイなんでしょ! 頑張って気を持って!」
「俺はっ、もうっ、可愛いでっ、いいっ」
と言ってトールはその場で首をガクンと落とした。
いやっ!
「KOされたボクサーか! そんなに打たれてはいないでしょ!」
しかしもうトールの声は聞こえなくて。
悪魔だ……みだらな人とかじゃない……この子は悪魔だ……と思った時、博士がこう言った。
「理央も、喰らって、みると、気持ちが、分かるぞ」
「何を促しているんだ……」
僕は恐怖で後ずさりをしていると、博士がササっと僕に近付き、僕のことを腕で押さえだした。
トールの口のホイッスルを取ったイッチンはまた自分のスカートで口を拭くと、僕の口にグッとホイッスルを押し付けてきた。
クソ! 僕はアレだからな! イッチンが自分のスカートで拭いていることもちょっとした興奮ポイントにしている人間だからな!
だからもう! だからもう! ホイッスルが口にきているだけでお腹いっぱいですっ!
……なんとか耐えきった僕、博士も諦めて、僕を押さえることを止めて、
「さすが、ラブコメ部の、裏番長、屈しないな」
と言ったけども、いやもうスカート拭きの時点で屈していました……とは言えないけども。
イッチンは口を尖らせて少し不満げな表情をしたが、すぐに何かを思いついたような顔をすると、イッチンはトールのほうに近付いて、トールの耳元でホイッスルを「ピーッ」と鳴らした。
その音にビックリしたトールは我に返ったように、負けたボクサー状態から元に戻った。
そしてイッチンは、
「じゃっ、博士に返すわ。アタシが吹いたあと、口んとこまだ拭いてないから自分で拭いといてやぁ」
と言ってニヤニヤ笑ったイッチン。
試されてる! 博士が試されてる! 間接キスか紳士を貫くか試されてる! と思って見ていると、普通に博士がそのまま「ピーーーッ!」と吹いて、
「試合終了!」
と叫んだ。
いやもう全然間接キスを頂くほうでいったぁっ!