「君には『バート』という、昔からの親しい友達がいるみたいだね。」

「!?」

「その友達に危険が及んでもいいのかい?」

「……それは、脅しですか?」

「脅しかどうかと聞かれたら、脅しだよ。どうかな?引き受けてくれるね?」

「……分かりました……引き受けましょう。」

こうして、コーニエルは隣国の第一王子の命を狙うことになった。







コーニエルは、バートの家に来た。

「バート……。」

「コーニエルじゃないか!どうしたんだよ?暗い顔をして……。」

「いや、別に何でもないんだ。気にしないでくれ。ただ顔を見に来ただけだ。」

「……そうか。最近、僕も年をとってきて腰が痛いんだよなぁ。」

「バートは年をとるのが早いな。」

「違うよ!コーニエルが年をとるのが遅いんだろ!」

「そうか。」

「そうだよ!そういえば、コーニエルは何歳なんだ?」

「俺か?俺は99歳だぞ。」

「99歳!?全然、見えないな!!すごく若く見えるよ!!」

「そりゃそうだろ!!99歳って言ったら、ピチピチだろ!」

「いや、人間の99歳だったらヨボヨボだからな。」

「そうなのか……。じゃあ、バートは何歳なんだよ?」

「僕か?僕は59歳だよ。」

「そうなのか。老けて見えるな。」

「魔術師の59歳と人間の59歳を一緒にしてもらったら困るよ!」

「そうか。ごめん!」

このあとも、二人は他愛のない話を続けた。

コーニエルは、バートには絶対に危害を及ばさないようにしなくてはと思った。