「じゃあ、色々世話になったな!ありがとうな!またな!」

「うん!うまく逃げれると良いね!バイバイ!また会おうね!」

コーニエルは、バートとさよならの挨拶をした。



「良い少年だったな!また会えるといいな!」

コーニエルは、ホウキに乗って空を飛びながら呟いた。



「よし!もう少しでこの国から脱出できるぞ!」

ガツンッ!!

「痛っ!?なんだ?なんだ?進まないんだが……見えない壁がある……。そういえば、この国が敵に侵略されないように見えない壁を張って戦争の対策をするとかって新聞に載っていたような……。」

コン!コン!コン!

手で叩いてみる。

「これは頑丈な壁だな……自分の力では壊せそうにないな……どこか抜け道はないのか?家から持ってきた望遠鏡で抜け道がないか探してみよう!」

コーニエルは、懐から望遠鏡を取り出し覗いてみた。



「お!敵が攻めてきてるな。魔術師も騎士達も強そうなやつばかりだな。こっちは、押されてるんじゃないか?ん?待てよ……敵が攻めてきてるってことは、壁が壊されてるってことで、そこからなら逃げれるじゃないか!!

しかし、そこから敵が次々と出てくるわけだからそこから逃げるのは危なくないか?うーん、どうしたものか……いっそのこと、この戦争が終わるまでここで高みの見物でもするか?なーんてな。それは無理だ。いつこの戦争が終わるかも分からないのに、ずーとここにいるわけにもいかないからな……。バートのご家族にまたお世話になるわけにもいかないし、自分の家にノコノコと戻るのはなんとなく危険だよな……。」

コーニエルは、一人で色々と考え込んでいた。











一方、ヴェロンバは……



「おーい!!負傷者が出たぞ!!手当てしてくれ!!」

「こっちもだ!!こっちも、重傷のやつがいるぞ!!」

「血がドバドバ出てるぞ!!」



手当てするのに、必死だった。

(こんなにも、負傷者が出るなんて……。)



「おい!あっちは、魔術師だけじゃなくて鉄砲を持った騎士も出てきたぞ!こっちは、援軍は来ないのか!?」

「来るわけないだろ!この国の騎士は、お飾りの騎士達ばかりで親が子供を戦争に参加させたくないんだよ!高い金払って、免除してもらってるらしいぞ!」

「なんだと!?」

「普段、遊んでばかりで稽古も真面目にやってないから、親の名誉の為に参加させられた騎士達は、あそこで伸びてるぞ!」

沢山の騎士達が伸びていた。

「もうダメだ……。家に帰りたい……。」

「相手が強すぎる……。」←自分が弱いだけ





「クソ!!なんとかならんのか!!」

魔術師のこの言葉も、銃声でかき消された……。