ハンプトン子爵令嬢は、家の窓から曇り空を眺めている。

「アリア、どうしたんだい?最近、ずっとぼーっとしてるじゃないか。」

「アリア、何かあったの?」



ハンプトン子爵令嬢は、スブルストでの出来事を思い出していた。



「「王妃がいるのにそんなことをするあなたが悪いんじゃない!!……そんなことで私が陥れられたなんて!!許せないんだからーーーーーー!!!!!」」



国王にあんなことを言ってしまったけど、私だけが被害者じゃなかったわ……。

私を陥れるためにティム様の命も狙われ、コーニエルさんは親友を人質にとられて、色んな人を巻き込んでしまったのに……。

しかも、国王は私の実の父だったし……。

あんなのが実の父だなんてあんまりだわ。



私、今更だけど恥ずかしくなってきたわ。

ティム様とエマ殿下の仲を引き裂いて、私はティム様と婚約したのに、フランクを好きになってしまいティム様との婚約を解消した。

私が国王にあんなこと言える立場じゃなかったのに……。