「おー、君がスブルストの魔術師のコーニエルかい?」
「ああ。」
「手品、すごく評判が良かったよ!また披露しに来てくれるかい?」
「もちろん!」
「ところで、本題に入ろう。話とはなんじゃ?」
「ハンプトン子爵令嬢とアベラード卿とタナカさんが警察に連行された。」
「「なんじゃと!?なんでそんなことに!?」」
「このフランクと言う男の家に不法侵入したからだ。」
コーニエルは気を失っているフランクに指を指した。
「なんでそんなことをしたんじゃ!?」
「フランクは、ハンプトン子爵令嬢と別れてから豪邸を建てて大金持ちになった。どこでそんな大金を手にいれたのか探るために俺を含めた4人で忍び込んだんだ。」
「「バカか!!?」」
「最後まで聞いてくれ!!フランクの家を探っていると、沢山のスブルストの紙幣が見つかったんだ!それから、スブルストから送られてきた手紙も見つかったんだ。」
「それがどうしたと言うのじゃ??」
「そこから分かったのが、スブルストの国王がハンプトン子爵令嬢の持ち物を盗むようにフランクに頼んでいたことだ。」
「なぜそんなことを頼んだんじゃ??」
「ハンプトン子爵令嬢を俺に魔法で操らせるためだ。」
「?」
「操るには、操るターゲットの持ち物が必要なんだ。それで、ハンプトン子爵令嬢の持ち物を手に入れるためにスブルストの国王は、ハンプトン子爵令嬢と付き合っていたフランクにハンプトン子爵令嬢の持ち物を盗ませたんだ。」
「……。」
「ハンプトン子爵令嬢を操って、第一王子を殺そうとして申し訳なかった!だけど、俺の大切な親友が人質にとられていたんだ!」
「その話は聞いているよ。スブルストの国王は最低の国王だと思うよ。さぞ辛かったことだろう。しかし、このフランクと言う男にハンプトン子爵令嬢の持ち物を盗むように頼んだり手の込んだことをして、よっぽどティムを殺したかったとみえるな。」
「いいや、違うと思う。スブルストの国王は、ハンプトン子爵令嬢を陥れたかっただけだと思う。」
「どういうことじゃ?」
「第一王子を殺したいだけなら、わざわざ手の込んだことをしなくてもいいだろ?だから、ハンプトン子爵令嬢を陥れることが目的だと思うんだ。」
「!?」
「「おい!!起きろ!!」」
コーニエルは、フランクの耳元で叫んだ。「「うわっ!?」」
フランクは驚いて目が覚めた。
「……ここはどこだ?」
フランクは辺りを見回す。
「ん?あ…あなたは国王陛下!?なんで??」