フランクが家に帰ってきた。
フランクは家の中を見てビックリした。
「「なんだこれは!?家がメチャクチャじゃないか!!」」
メイドと執事が縄で縛られていた。
「「大丈夫か!?」」
フランクが駆け寄る。
返事がない。
フランクの顔が青ざめる。

「安心しろ。眠っているだけだ。」

振り向くとそこには、ピシッとスーツを着込んでいる男がいた。
「「お前は誰だ!?」」
「俺か?俺は魔術師だけど?」
「嘘つけ!!魔術師ってのは、もっとこう黒いフード付きのローブとか着ていかにもな格好をしているもんだろうがっ!!」
「今時の魔術師は、ちゃんとスーツも着こなすんだよ!覚えとけ!!」

「私を裏切って、豪邸を建てていい身分になったわね。」
二階を見るとそこには人が三人いた。
しかも、その中の一人は見覚えのある人物だった。
しかも、鬼のような顔で立っていた。

「「アリア嬢!?」」

「あなた、私のイヤリング盗んだでしょう??」
「!!な、何を言っているんだい??全然、なんのことだか分からないよ。」
「本に挟んでいた手紙、読ませてもらったわよ!
『まだ手に入れることができないのですか?あなたなら、すぐに手に入れることができると思ったのに……。』
『まだ手に入れることができない理由はわかりました。私は我慢が嫌いですが、仕方がないですね……気長に待つとしましょう』
って書いてあるけど、これってもしかして私が親戚の家に住み込みで働かせてもらうことになった時じゃないの?
それで、あなたが私と接触を図ることができなくなり、私の持ち物を手に入れることができなくなった。
そうこうしているうちに、スブルストの国王からまだ私の持ち物を手に入れることができないのかと催促の手紙が来たんでしょ?
ねぇ、どうなの?違うの?そうなの?ハッキリして!!」
「何を言っているんだい?訳の分からないこ「「あーーーーー!!!!もう!!嘘はやめて!!私、全部分かってるんだからね!!!
もう一通に、『頂いたものは、私が求めていたものではありませんでした。次は間違えないでください。』って書いてあるけど、これってあなたが私の持ち物と間違えて私のお母様の持ち物を盗って、それをスブルストの国王へ渡してしまい、国王から私の持ち物じゃなかったと手紙が送られてきたんでしょ!?
ねぇ、どうなの!!そうでしょ??絶対、そうだよね!??」」
「……そうだ「「やっぱりーー!!そうだと思った!!だって、消印の日付から見てもあってるし!!よくも私を裏切って、こんな豪邸を建てたわね!!許せないんだから!!私、刑務所に入れられて辛かったんだから!!あなたが私のイヤリングを盗んだお陰で私は犯罪者に仕立てあげられたんだからね!!」」
「何を言っているんだ??」
「「しらばっくれるなーーーー!!!」」
どっかーんっっ!!!
フランクは、吹っ飛んだ!

田中さんもアベラード卿もコーニエルも、驚いて口をあんぐりと開けた!

「あれ?私、なにしたの……??なんでフランクが吹っ飛んだの??」
ハンプトン子爵令嬢がオロオロしている。
「だっ、大丈夫ですか?」
田中さんが心配する。
「なんか分からないけど急に力がみなぎってきて、気づいたらフランクを吹き飛ばしてたみたい……。」
コーニエルが口を開いた。
「今のは魔法だぞ……。魔力を感じた……。」
「えっ!?嘘でしょっ!?そんな……私…魔法なんて使えるわけないじゃない!!」