「じゃあ、仕事の話を始めるね。」

「はい。」

「今度、交友を深めるためにワンワン民族が訪問に来るんだよ。そこで、歓迎の晩餐会をするんだよ。」

「ワンワン民族!?」

「そう。ティム君は知らないかもしれないけど、人間みたいに二足歩行で歩く、姿が犬っぽい民族がいるんだよ。」

「へぇー、すごいですね!!……って、信じられるか!!!」

「鋭い突っ込みありがとう。だけど、それがいるんだよねー。世界は広いからねー!(遠い目)」

「なに言ってる本人が遠い目して、現実逃避してるんですか!!しっかりしてくださいよ!!」

「はっ!?

そうだね、現実に戻らないとダメだね。

説明を続けさせてもらうと、ワンワン民族の訪問は初めてなんだよ。

だから、気を引きしめていかないといけないんだよ。」

「よし!じゃあ、ワンワン民族に会ったことのある人にワンワン民族のことを色々聞いてみましょう!」

そして、ティムたちはワンワン民族に会ったことのある外交官に話を聞いてみることにした。

「ワンワン民族は、肉食であまりサラダとかは食べないね。

それから、ボールが好きでよくストレス解消のために噛んだりしてるよ。

あと、散歩が好きみたいで毎日散歩してるよ。」

「へぇー、そうですか。色々教えてくれてありがとうございました。

じゃあ、失礼しました……って、帰れるか!!」

「えっ!?どうしたの??なにか不満でも??」

「大ありだよ!!話、聞いてたらまんま犬じゃん!!大丈夫なのかよ…、不安でしかないよ…。」

「大丈夫だよ。ちゃんと外交官の私たちもフォローするからさ。」

「じゃあ、なにかあったら絶対フォローしてくださいよ。

それから、ワンワン民族の言葉は喋れるんですか?」

「もちろん。」

「じゃあ、試しになにか喋ってみてくださいよ。」

「分かったよ。じゃあ、言うね。

ワンワンバウワウクーンキャイーンワオーン。」

「なんて言ったんですか?」

「こんにちは。」

「絶対違うだろ!!こんにちはの尺じゃなかっただろ!!長すぎるだろ!!」



こうして、ティムたちは外交官から仕入れた情報を元におもてなしをすることにした。



「とりあえず、肉食と言うことが分かったので、シェフには肉をメインにした料理を出してもらって、あまり野菜は使わないようにしてもらいましょう!」

「ああ!手配するよ!」

「そして、散歩が好きということなので城下町をぶらりと歩いて、城下町で流行りの食べ物を召し上がっていただくのも良いですね!」

「そうだな!手配するよ!」

こうして、当日に向けての段取りが決まっていった。